筋トレをすると薄毛が改善されるのか?ハゲるのか?
●筋トレをするとストレス解消で薄毛が改善される!
とか
●筋トレをすると男性ホルモンが増えてハゲる!
など、ネット上では「筋トレをすると薄毛が改善される説」と「筋トレをするとハゲる説」の2つの説が飛び交っています。
「筋トレをすると薄毛が改善される説」を信じるとボディビルダーに薄毛の選手はいないということになりますよね。
また、
「筋トレをするとハゲる説」を信じると、筋力を必要をするアスリートには薄毛の方が多いような気がしますよね。
そこで、こちらページでは筋トレが髪の成長に関して、どのような影響があるのかを紹介しています。
筋トレをすると薄毛が改善される説について
筋トレをすると薄毛が改善される説の根拠となっているのが、
- 筋トレをすると成長ホルモンが分泌されるので髪が成長する
- 筋トレをするとストレス解消になるから髪の成長にはプラス
などです。
では、これらは本当なのでしょうか?
筋トレで成長ホルモンが増加するの?
成長ホルモンとは、191個のアミノ酸から成っているププチドのことで、体内にある物質をエネルギーに変える働きがあります。これを代謝をいいます。
人が生きていく上でエネルギーを作ることは欠かせませんが、成長ホルモンはその過程で重要な役割を持っています。
もちろん、髪の成長にも成長ホルモンは大切な役割を担っています。
では、筋トレをすることで成長ホルモンは増えるのでしょうか?
「高負荷の筋トレを行うと筋線維が痛み、それを修復するために成長ホルモンの分泌が起こり筋肉を大きくする」と考えられています。
筋トレをする過程で成長ホルモンが分泌されるので「薄毛を改善するために成長ホルモンが使われる」という説ですね。
筋肉の研究を続けられている実践女子大の山田茂教授は「成長ホルモンと筋肉肥大には、直接的な関係はない」と言っておられます。
必ずしも成長ホルモンが筋肉肥大に必須ではないことが研究の進歩で解明されています。
もちろん、成長ホルモンの分泌は身体に変化をもたらしますが、「筋トレ後の筋肉肥大に影響を与えるのは、IGF(インスリン様成長因子)やFGF(繊維芽細胞増殖因子)、MGF(メカノ成長因子)だということが分かってきました。
つまり、成長ホルモンは髪の成長に関係しているが、そもそも筋トレで成長ホルモンの分泌量が増えることはありません。筋トレで薄毛が改善されるというのは噂の域を出ていませんね。
筋トレでストレス解消できるの?
薄毛の原因の一つに「ストレス」があります。
ストレスを感じると毛細血管が収縮して血行が悪くなります。血行が悪くなることで、肝臓で作られた髪の栄養素が毛根へ運ばれなくなり薄毛が進行していきます。
ストレスが解消されれば血行がよくなり薄毛も改善の方向へ向かうことができそうですね。
では、筋トレでストレスは解消できるのでしょうか?
適度な運動や筋トレを行うと血流がよくなります。また、適度な筋トレを行うと、身体を疲労させ眠気を呼び起こします。
その結果、深い眠りを得られます。深い睡眠には、ある程度のストレス解消効果があります。ただ、解消の程度には個人差があるので、薄毛を改善するほどの効果があるとまでは言えません
実は、筋トレにはストレス解消効果よりも、ストレス耐性を高める効果があるとも言われています。
筋トレは、筋肉に負荷を与えて身体をストレス状態に置きます。このストレス状態の中で筋トレを継続すると、身体がストレスに対しての耐性を高めていきます。
身体がストレスに対しての耐性を高めるので、ストレスを感じにくくなっていきます。
ただ、これも身体的ストレスは感じにくくはなりますが、薄毛の原因となるのは精神的なストレスなので、薄毛の改善とは直接的な関係はなさそうです。
筋トレをするとハゲる説について
「筋トレをするとハゲる説」の根拠となっているのが
- 筋トレをすると男性ホルモンが増えるのでハゲ(薄毛)になる
というものです。
男性型脱毛症(AGA)の原因が男性ホルモンにあることと、筋トレをすると男性ホルモンが増える傾向にあることが理由のようです。
では、筋トレをすると男性型脱毛症(AGA)は進行するのでしょうか?
筋トレでハゲるの?
確かに、筋トレをすることで男性ホルモンのテステステロンの分泌量が増えます。テステステロンは筋肉や骨を多きくすることや、脳や精神面にも影響を及ぼします。「思考パターン」「判断力」「決断力」などの男らしい考え方に影響すると言われています。
このように、筋肉や骨の成長に重要な働きを持つテステステロン(男性ホルモン)ですが、薄毛にも関係しているのでしょうか?
薄毛の原因となるのは、男性ホルモンでも「テステステロン」ではなく「ジヒドロテステステロン(DHT)」という別の男性ホルモンです。
ここで知っておかないといけないことがあります。それは、「ジヒドロテステステロン(DHT)は、テステステロンが還元酵素の影響を受けて変化したもの」ということです
筋トレをしてテステステロンが増えてもAGAが進行することはありませんが、増えたテステステロンが還元酵素の影響を受ければジヒドロテステステロンへ(DHT)と変化してしまいます。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、男性型脱毛症(AGA)の原因ですね。筋トレをしてテステステロんが増えればジヒドロテステステロン(DHT)が増える要素ができてしまうことにはなります。
筋トレをしても、直接AGAが進行することはないけど、原因となるジヒドロテステステロン(DHT)を増やす要因にはなるということです。
しかしながら、必ずしもテステステロンが還元酵素の影響を受けることにはなりません。
また、医学的には筋トレとAGAの相関関係は立証されていません。さらに、激しい筋トレを行うと「血中のテステステロン量は減る」というデータもあります。
これは、血中のテステステロンは筋肉増大へ使用されるためだと考えらえています。血中のテステストロンが男性型脱毛症(AGA)に関連していることから、筋トレが男性型脱毛症(AGA)を誘発するとは考えにくい、ということですね。
筋トレをしても「薄毛になる不安要素にはなるけど、それほど心配することはない」ということです。
プロペシアを飲むと筋トレの効果が出ない?
AGA(男性型脱毛症)の治療薬として広く使われているプロペシアには、筋トレの効果を低下させるという話しがありますが本当なのでしょうか?
だとすれば、薄毛を治療しながら筋トレをしても無駄ということになりますよね・・・。
プロペシアにはどのような効果があるの?
AGA(男性型脱毛症)の原因とされているジヒドロテストステロン(DHT)は、テステストロンが5αリダクターゼ還元酵素の作用を受けて変化したものです。
プロペシアは、この5αリダクターゼ還元酵素の働きを阻害する効果があります。この結果、テステストロンがジヒドロテストステロンに変化するのを防いでいます。
ジヒドロテストステロン(DHT)が作られないのでAGA(男性型脱毛症)にはならない、ということですね。
(*実際には、すべてのテステストロンがジヒドロテストステロンに変化することを防ぐことはできません。効果には個人差があります。)
プロペシアを飲むと筋トレの効果がないのか?
プロペシアにはテステステロンの分泌量を抑えたり、その働きを悪くする作用はありません。
先にも述べた通り、プロペシアには薄毛の原因となるジヒドロテストステロンを作らせないために5αリダクターゼ還元酵素の働きを阻害する効果はあります。
ただ、直接テステステロに作用するわけではないので安心して筋トレをしてくださいね。
プロペシアの副作用として「男性機能の低下」や「乳房の肥大化」が報告されていることから、そのようなことが言われていると思われます。
プロテインと薄毛の関係
筋トレをしている方には、プロテインを飲んで効果的に筋肉を肥大化させている方もみえます。
髪の毛がタンパク質で構成されていえることから、良質なたんぱく質を摂取するためにプロテインを飲むことは合理的かもしれません。
ただ筋トレと併用されるプロテインには、「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」が含まれています。
動物性たんぱく質には多くの脂肪分を含み、ジヒドロテストステロンを作り出す5αリダクターゼを作り出すとも言われています。
一方で、植物性プロテインには、発毛に有効なイソフラボンを多く含んでいます。
このことから分かるのは、プロペシアを併用するなら植物性たんぱく質の配合割合の多いプロテインを飲んだ方が良いということになります。
ただ筋肉を大きくするなら動物性たんぱく質が有効なのでジレンマに陥りますね(苦笑)
ボディビルダーのように筋肉を大きくするしたいのなら仕方ありませんが、それ以外であれば、プロペシアと併用するなら植物性たんぱく質の割合が多いプロテインを使用しましょう。
まとめ
筋トレをすると「ハゲるのか?」あるいは、「薄毛が改善するのか?」ということですが、どちらの要素もありますが、気にするほどの影響はないということです。
筋トレをしながらAGA治療をしても治療の効果が下がることもありませんし、薄毛になることもありません。
もちろん、筋トレの効果が落ちることもありません。ただ筋トレにプロテインを併用する時には、植物性たんぱく質の割合が多いものの方が髪の栄養には役立ちます。
(*ボディビルダーのように筋肉を肥大化させたい方は動物性たんぱく質が効果的ですが・・・。)
筋トレと薄毛には、間接的には関係はあるかもしれませんが、直接的な影響はないので、それほど心配する必要なないということです。